FAQ

製品に関する疑問やよくある質問に対して回答しています。

製剤について

Q1. シナジスはどのような薬剤ですか?

A.

シナジス(一般名:Palivizumab)は遺伝子組換え技術により作成された、抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体です。
シナジスはRSウイルスの感染力を失活(中和)させるとともに、宿主細胞(気道上皮細胞等)への侵入を抑制します

参考資料:Johnson S, et al. J Infect Dis. 1997; 176: 1215-1224.

Q2. どのような効果がありますか?

A.

RSウイルスの流行期間中,対象となるハイリスク児に月に1回投与することによってRSウイルス感染による入院率の減少 が報告されています。

参考資料:
The IMpact-RSV study group. Pediatrics. 1998; 102: 531-537.
Feltes T.F., et al.: J Pediatr., 143 :532-540, 2003

Q3. シナジスを投与したほうが良いのはどのような児ですか?

A.

シナジスの効能・効果は以下の通りです。
下記の新生児、乳児及び幼児におけるRSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)感染による重篤な下気道疾患の発症抑制RSウイルス感染流行初期において
・在胎期間28週以下の早産で、12ヵ月齢以下の新生児および乳児
・在胎期間29週〜35週の早産で、6ヵ月齢以下の新生児および乳児
・過去6ヵ月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けた24ヵ月齢以下の新生児、乳児および幼児
24ヵ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児、乳児および幼児
24ヵ月齢以下の免疫不全を伴う新生児,乳児および幼児
24ヵ月齢以下のダウン症候群の新生児,乳児および幼児

投与対象のページへ

Q4. シナジスの投与量は?

A.

シナジスの投与量は、体重1kgあたり15mgを投与します。

用法・用量のページへ

Q5. シナジスの投与スケジュールは?

A.

RSV感染の流行期間内中、月に1回投与します。
また、RSV感染の流行初期(9月〜10月初旬)に適応となる月齢であれば、RSV感染の流行期間中、継続してシナジスを投与することができます。

初回投与時には、各適応の月齢以下であることを確認してください。

・在胎期間28週以下の早産で、12ヵ月齢以下の新生児および乳児
・在胎期間29週〜35週の早産で、6ヵ月齢以下の新生児および乳児
・過去6ヵ月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けた24ヵ月齢以下の新生児、乳児および幼児
24ヵ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児、乳児および幼児
24ヵ月齢以下の免疫不全を伴う新生児,乳児および幼児
24ヵ月齢以下のダウン症候群の新生児,乳児および幼児

※画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。
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・RSウイルスの流行期は通常10〜12月にはじまり、翌年の3〜5月に終了します。ただし、年によっては異なるため最新の情報をご確認ください。
[感染症最新情報] http://rsvinfo.net/

・RSウイルス流行時に生まれた児退院後速やかに小児科医にご相談ください。
[全国施設検索サイト] http://www.small-baby.com/

Q6. 他のワクチンとの相互作用はありますか? 投与スケジュールを変更すべきですか?

A.

シナジスは遺伝子組換えによって作成されたモノクローナル抗体で、また、RSウイルスのFたん白質の抗原A領域のみに 作用する抗体ですので、ワクチン株に使用されているウイルス・細菌には結合力を示しません。したがって、ワクチンとの併用によりそれらの免疫応答を干渉せず、接種スケジュールも変更する必要がないと考えられます。また、ワクチンとの併用により副作用の発生が上昇するとの報告はありません。

参考文献
1) American Academy of Pediatrics. Red Book 28th edition. 2009: 560-569.
2) American Academy of Pediatrics, Committee on Infectious Disease and Committee on Fetus and
  Newborn. Pediatrics. 2003; 112: 1442-1446.

Q7. 医療費について

A.

シナジスは、予防接種と異なり、健康保険の適応を受けているため、患者さんの自己負担額は、乳幼児医療費支給制度に より助成される場合がほとんどです。ただし、保護者の所得額によっては助成されないこともありますので、詳細は各自治体所定の窓口へご確認ください。

Q8. RSウイルス感染症にかかってしまったら、シナジスの投与を中断すべきですか?

A.

RSウイルス感染症にかかってもシナジスの投与を継続します。RSウイルス感染症は再感染を起こしやすく、同じ流行期 に繰り返し感染をおこします。
そのため、いったんRSウイルス感染症にかかり治った後も、RSウイルス流行期間中においては、再感染を防止するために、シナジスの投与は継続して行います。

Q9. 既にRSV感染に罹った児に治療目的で投与できますか?

A.

シナジスはRSV感染症の治療目的で効能・効果を取得しておりません。

RSウイルス感染症について

Q1. RSウイルスとは?

A.

RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)は、乳幼児における肺炎や細気管支炎の主要な原因としてよく見られるウイルスです。1965年にMorrisらにより分離されたパラミクス科に属するRNAウイルスです。ウイルスに感染した細胞が多核巨細胞を形成し、シンチウム(合胞体:syncytium)形成という特徴的な形を示すことから、RSウイルスと命名されました。

Q2. RSウイルス感染症とは?

A.

RSウイルスは、乳幼児に肺炎や細気管支炎等の下気道感染をひきおこす主要な原因ウイルスです。毎年、秋(9-10月頃)から春(3-4月頃)にかけて流行を繰り返します。

一般に1歳までに50%以上の乳児が感染し、2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染します。
症状は顕性で、鼻閉,鼻汁,咳嗽(クループ)、38‐39度の発熱といった感冒様症状から始まります。重症化すると肺炎,細気管支炎等の下気道症状が出現し,多呼吸,陥没呼吸等の呼吸困難症状になります。

国内で実施された調査では、急性細気管支炎による入院患児(3歳未満)のうち、RSウイルスに起因するものが76.5%と 報告されています。
獲得免疫が不完全なために再感染が高率にみられ、乳幼児では毎年RSウイルス感染に罹患する症例もみられます。

※年齢別の病因ウイルスの表へ

参考資料:
Glezen W.P., et al :Am.J. Dis. Child, 140: 543-546, 1986
Hall C.B.: Contemporary Pediatrics : 92-110, 1993(November)
Saijo M., et al : Acta Paediatr. Jpn., 36:371-374, 1994
黒崎知道:検査と技術、25:6-12,1997

RSウイルスについてのページへ

Q3. どのように診断するのでしょうか?

A.

RSウイルスの流行期や、臨床症状からRSウイルス感染を疑うことができます。
生後1〜2か月の乳児では、典型的な細気管支炎症状を呈さない場合もあり、哺乳不良、活気不良、無呼吸発作、チアノーゼ(皮膚の色が紫色になる状態)などの症状を認めた場合に、RSウイルス感染症を疑います。
RSウイルス感染症の病因診断は、ウイルス分離、ウイルス抗原の検出、ウイルスRNAの検出、血清抗体価の上昇等の検査結果から得られます。ウイルス抗原検査は迅速診断キットで約15分で診断でき、急速に普及しています。

Q4. どのような児がRSウイルス感染症が重症化するのでしょうか?

A.

CHD児、早産児、その他のハイリスク児ではRSウイルス感染による入院率が高いことが示されています。また、いずれの グループにおいても月齢が低いほど入院率の高いことが認められています。

参考資料:
Hall C.B.: Contemporary Pediatics : 92-110, 1993(November)
Cunningham C.K., et al :Pediatrics, 88:527-532, 1991
Groothuis J.R., et al :Pediatrics, 82:199-203, 1988
McDonald N.E., et al:N. Enf. J. Med., 307:397-400, 1982
津田 哲哉ほか:日本小児科学会雑誌,86:p.2076, 1982
Boyce T.G., et al : J. Pediatr., 137:865-870, 2000

RSウイルスについてのページへ

Q5. なぜ、早産児では重症化するのでしょうか?

A.

36週未満の早産児では、正期産児に比べて肺が未発達な状態にあり、肺容積は在胎期間34週の児で正期産の53%、 在胎期間30週の児で34%です。また、肺胞表面積もそれぞれ正期産の45%、27%と未発達なため、下気道感染症が発症すると無気肺等を生じやすく、重症化しやすいことが指摘されています。
また、早産児では正期産児と比較して細気管支が狭く、RSウイルス感染児では気道上皮の炎症・浮腫、気道分泌の亢進により気道狭窄が進みます。これもRSウイルス感染症が重症化しやすいことの一因となっています。

参考資料:
Langstone C, et al.: Am Rev Respir Dis 129:607,1984

Q6. 在胎期間35週の児で、見た目は正期産と変わらないのですがシナジスは打てますか?

A.

在胎期間35週はシナジスの適応対象児ですので投与できます。海外第Ⅲ相臨床試験でも、32〜35週の児について、シ ナジスによる入院減少率が80%と高い効果が得られています。
また、生後1年間の在胎期間33〜35週の早産児のRSウイルス感染症重症化のリスクは、32週以下の早産児と同様に高いことが示されています。
その他、呼吸器感染症以外のリスクについても、Late Preterm児(在胎期間34〜36週で出生した児)については見た目以上に生理学的にかなり未熟な状態で生まれてくることが指摘されています。

参考資料:
Engle WA,et al:Pediatrics 120:1390-1401、2007

Q7. RSウイルスの流行期間はいつ頃でしょうか?

A.

本邦では、RSウイルスは秋(9〜10月頃)から流行が始まり、春(3〜4月)ごろまで流行します。ただし、沖縄では年間を 通じて流行がみられます。

Q8. RSウイルス感染症の治療法は?

A.

一般的な治療法としては、気管支炎、細気管支炎や肺炎に対しては、基本的には適切な輸液、気道分泌物の機械的な排除、適切な体位、ヘッドボックスなどを用い加湿された酸素の投与などの対症療法が主流です。明確な治療法はいまだ確立されていないのが現状です。

Q9. RSウイルス感染症は子どもだけの病気でしょうか?

A.

RSウイルスは乳幼児における下気道感染症の主要な原因ウイルスとして重視されています。一方、近年、成人でも高齢者 等では重症感染症を引き起こし、ときに死亡原因となることも明らかにされています。
米国CDCが行った調査結果では、1990-1998年の呼吸器/循環器疾患による死亡のうち、インフルエンザあるいはRSウイルスに関連した死亡者数は1歳未満の乳児ではRSウイルスに関連した死亡数は211例でインフルエンザより多く、乳幼児において特に注意が必要なウイルスです。

参考資料:
Thompson WW, et al.: JAMA 289:179‐186、2003.

副作用について

Q1. どのような副作用がみられますか?

A.

シナジスの副作用は以下のようになります。

承認時:
・早産又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児

海外の第Ⅱ相及び第Ⅲ相試験(総症例数1,222例)では、主な副作用として注射部位反応、発熱、神経過敏等が認められたが、多くは軽度であり、本剤投与群とプラセボ投与群との副作用発現率はほぼ同等であった。
国内における早産又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児31例を対象とした第Ⅰ/第Ⅱ相臨床試験においては、副作用は認められなかった。

・先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児

海外の第Ⅲ相臨床試験(総症例数639例)では、主な副作用として注射部位反応、発熱、発疹等が認められたが、本剤投与群とプラセボ投与群との副作用発現率はほぼ同等であった。
国内における先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児を対象とした第Ⅲ相臨床試験(安全性評価対象71例)では、主な副作用として注射部位反応、咳、鼻漏、発疹、嘔吐、発熱等が認められた。

・免疫不全又はダウン症候群の新生児、乳児および幼児

国内における第Ⅲ相臨床試験(総症例数28例)では、主な副作用として鼻咽頭炎が認められた。
再審査終了時(凍結乾燥注射製剤):
製造販売後調査の総症例570例中19例(3.3%)に副作用が認められ、主な副作用として気管支炎、上気道の炎症等が認められた。

(1)重大な副作用

  • 1)ショック、アナフィラキシー(頻度不明)注)
    ショック、アナフィラキシーがあらわれることがある。観察を十分行い、チアノーゼ、冷汗、血圧低下、呼吸困難、 喘鳴、頻脈等があらわれた場合には投与を中止し、エピネフリン(1:1000)の投与による保存的治療等の適切な処置を行うこと。
  • 2)血小板減少(頻度不明)注)
    血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  • 注)国内外の臨床試験では認められず、頻度が明確とならない調査(海外報告等)において認められている。

(2)その他の副作用
次のような症状があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。

参考資料:
The IMpact-RSV Study Group. Pediatrics. 102: 531-537. 1998
Feltes TF., et al.: J Pediatr. 143: 532-540. 2003

保管について

Q1. 貯法は?

A.

凍結を避け、2〜8℃で保存してください。

Q2. 使用期限は?

A.

使用期限は2〜8℃の冷所保存で製造後3年です。

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