臨床成績

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  2. 臨床成績:DAA未治療のC型慢性肝炎、ジェノタイプ1(8週間投与)

「警告・禁忌を含む使用上の注意」等は「DI情報」の項をご参照ください。

国内第Ⅲ相臨床試験(CERTAIN-1試験)サブ試験111)

試験概要

目的:
HCVジェノタイプ1に感染したDAA未治療の慢性肝炎の日本人成人患者を対象として、マヴィレット®の8週間投与の安全性及び有効性をオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル(OBV/PTV/r)の12週間投与と比較評価する。
対象:
HCVに感染したDAA未治療及び既治療の日本人成人患者294例
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投与群A、B:HCVジェノタイプ1に感染したDAA未治療の慢性肝炎の日本人成人患者181例(投与群AにNS5A Y93H変異が認められた患者23例を含む)

方法:
サブ試験1では、NS5A領域におけるY93H変異が検出されなかったHCVジェノタイプ1に感染したDAA未治療の慢性肝炎患者を投与群A又は投与群Bに2:1の比で割り付けた。さらに投与群Aにはこれに加え、Y93H変異が検出された患者23例も割り付けた。投与群Aにマヴィレット®を1日1回8週間投与し、投与群BにOBV/PTV/rを1日1回12週間投与した。投与終了後24週間追跡調査を行った。
主要評価項目:
NS5AのY93H変異未検出の患者集団におけるSVR12率に基づくマヴィレット®8週間投与(投与群A)のOBV/PTV/r 12週間投与(投与群B)に対する非劣性
副次評価項目:
投与中のウイルス学的治療不成功及び後観察期中の再燃
その他の評価項目:
主要なアミノ酸部位におけるベースライン変異の発現率、患者背景別 SVR12率、HCV RNA量のベースラインからの平均変化量の経時的推移
解析計画:
サブ試験1では、主要・副次・その他の評価項目及び安全性について、マヴィレット®とOBV/PTV/rを比較・検討し、また、事前に定めた患者集団を用いて有効性の感度分析及びサブグループ解析(Y93H変異を有する患者におけるSVR12率等)を実施した。

本試験は、アッヴィからの資金提供による支援を受けています。

承認時評価資料

患者背景

投与群A
マヴィレット®
8週間
(129例)
投与群B
OBV/PTV/r
12週間
(52例)
性別、例数(%) 女性 82(63.6) 38(73.1)
男性 47(36.4) 14(26.9)
年齢 平均 (範囲)、歳 62.7
(21〜86)
63.6
(31〜81)
65歳以上75歳未満、
例数(%)
37(28.7) 23(44.2)
75歳以上、例数(%) 26(20.2) 7(13.5)
BMI 平均 (範囲)、kg/m2 23.6
(16.2〜33.4)
22.7
(16.2〜32.7)
25kg/m2未満、
例数(%)
92(71.3) 37(71.2)
HCVジェノタイプ、例数(%) 1a 4(3.1) 0
1b 125(96.9) 52(100)
IL28Bジェノタイプ
(rs12979860)、例数(%)
CC 79(61.2) 32(61.5)
Non-CC 50(38.8) 20(38.5)
CT 47(36.4) 20(38.5)
TT 3(2.3) 0
HCV RNA量(IU/mL)、
例数(%)
100,000未満 15(11.6) 1(1.9)
100,000以上 114(88.4) 51(98.1)
HCV RNA量(log10 IU/mL) 平均(範囲) 6.1
(2.7〜7.4)
6.2
(4.1〜7.2)
HCV前治療歴、例数(%) 未治療 94(72.9) 37(71.2)
治療歴あり 35(27.1) 15(28.8)
IFN 35(27.1) 14(26.9)
DAA 0 1(1.9)a
線維化ステージ、例数(%) F0-F1 52/64(81.3) 17/20(85.0)
F2 3/64(4.7) 1/20(5.0)
F3 8/64(12.5) 2/20(10.0)
F4 1/64(1.6)b 0
データなし 65 32
ALT(U/L) 平均(範囲) 42.6
(11〜211)
39.6
(13〜200)
血小板数(万/μL) 平均(範囲) 20.9
(8.3〜41.9)
20.0
(8.2〜29.3)
eGFR(mL/min/1.73m2 平均(範囲) 69.4
(29.8 c〜107.7)
66.8
(37.4〜102.0)

a:登録前にシメプレビルによる治療を受けていたため、プロトコール逸脱とみなされた
b:スクリーニング時にフィブロテストスコアが0.8であったが、慢性肝炎と肝硬変の判別式で−0.9であったため慢性肝炎となった
c:スクリーニング時は31.7mL/min/1.7m2であった

承認時評価資料

試験結果

【主要評価項目】
NS5AのY93H変異未検出の患者集団におけるSVR12率に基づくマヴィレット® 8週間投与(投与群A)のOBV/PTV/r 12週間投与(投与群B)に対する非劣性

投与群AのSVR12率は99.1%、投与群BのSVR12率は100%、群間差(95%信頼区間)は−0.9(−2.8、0.9)%でした。群間差の95%信頼区間の下限値が事前に設定された非劣性マージンである−10%を上回り、マヴィレット®の8週間投与はOBV/PTV/rの12週間投与に対し非劣性であることが示されました。
なお、投与群Aでベースライン時にY93H変異を有していた患者23例はすべてSVR12を達成しました。この23例を含めるとマヴィレット®の8週間投与のSVR12率は99.2%(128/129例)でした。

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【副次評価項目】投与中のウイルス学的治療不成功及び再燃

投与群A
マヴィレット®8週間
(106例)
投与群B
OBV/PTV/r 12週間
(52例)
SVR12未達成例 1/106
理由:投与終了後12週に来院せず
0/52

投与群Aの1例はSVR4を達成していましたが、投与終了後12週に再来院しなかったため、SVR12を達成しませんでした。投与中のウイルス学的治療不成功例及び再燃例は認められませんでした。

【その他の評価項目】主要なアミノ酸部位におけるベースライン変異の発現率

投与群AのHCVジェノタイプ1bに感染した患者では、NS3のD168E変異が0.8%(1/121例)、NS5AのL31M変異が3.3%(4/120例)及びY93H変異が17.5%(21/120例)に認められました(検出閾値15%)。

承認時評価資料

【その他の評価項目】患者背景別SVR12率〔サブグループ解析〕

投与群A
(NS5A Y93H変異患者を含む)
マヴィレット®
8週間
(129例)
投与群A
マヴィレット®
8週間
(106例)
投与群B
OBV/PTV/r
12週間
(52例)
性別 女性 98.8(81/82) 98.5(67/68) 100(38/38)
男性 100(47/47) 100(38/38) 100(14/14)
年齢 65歳以上
75歳未満

100(37/37)

100(30/30)

100(23/23)
75歳以上 100(26/26) 100(17/17) (7/7)
BMI 25kg/m2
未満
98.9(91/92) 98.7(76/77) 100(37/37)
25kg/m2
以上
100(37/37) 100(29/29) 100(15/15)
HCVジェノタイプ 1a (4/4) (3/3)
1b 99.2(124/125) 99.0(102/103) 100(52/52)
NS5A Y93H変異 あり 100(23/23)
なし 99.1(105/106) 99.1(105/106) 100(52/52)
IL28B
ジェノタイプ
(rs12979860)
CC 98.7(78/79) 98.3(58/59) 100(32/32)
Non-CC 100(50/50) 100(47/47) 100(20/20)
HCV RNA量(IU/mL) 100,000
未満
100(15/15) 100(14/14) (1/1)
100,000
以上
99.1(113/114) 98.9(91/92) 100(51/51)
HCV前治療歴a 未治療 100(94/94) 100(77/77) 100(37/37)
治療歴あり 97.1(34/35) 96.6(28/29) 100(15/15)

%(例数)、−:該当患者なし
a:IFN又はPeg-IFN±RBV

投与前の疾患特性に基づく部分集団においても、高いSVR12率が得られました。

【その他の評価項目】HCV RNA量のベースラインからの平均変化量の経時的推移

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両投与群の97%以上の患者で投与4週までにHCV RNA量が定量下限(LLOQ)未満となり、全例が投与終了時にLLOQ未満を達成しました。

安全性

副作用は投与群A(マヴィレット®8週間投与)で129例中30例(23.3%)に認められ、その主なものは、そう痒6例(4.7%)、倦怠感、鼻咽頭炎、血中ビリルビン増加、頭痛が各3例(2.3%)でした。投与群Aでは重篤な副作用、投与中止又は中断に至った副作用並びに死亡は本試験では認められませんでした。
投与群B(OBV/PTV/r12週間投与)では52例中14例(26.9%)に副作用が認められ、その主なものは、血中ビリルビン増加が3例(5.8%)、下痢、末梢性浮腫、発熱、ALT増加、AST増加及び高血圧が各2例(3.8%)でした。投与群Bでは1例に重篤な副作用(食欲減退、便秘、急性胆管炎)が認められ、投与を中止しました。本試験では死亡は認められませんでした。

承認時評価資料

11)社内資料:日本人被験者での有効性・安全性試験(第Ⅲ相試験)〔承認時評価資料〕

■使用上の注意 2. 重要な基本的注意

B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において、C型肝炎直接型抗ウイルス薬を投与開始後、C型肝炎ウイルス量が低下する一方B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。B型肝炎ウイルス感染の患者又は既往感染者に本剤を投与する場合は、HBV DNA量等のB型肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。